砂あそびや土いじりは、子どもにとってとても楽しい遊びの1つです。
「細菌が入ったらどうしよう?」といった心配もあるかもしれませんが、土いじりは子どもにとって免疫力を高めるなど、良い効果があることがわかっています。
では、土いじりは、子どもにどのような影響を与えるのでしょうか。
この記事では、土いじりが子どもの心身の健康に与える影響や、土いじりによって子どもの感性や感覚を総合的に育てる方法について紹介します。
土いじりの効果
2016年に、コロラド大学の統合生理学教授クリストファー・ローリー博士の研究チームが、土壌に生息する腐生性細菌の性質を発表しました。
彼らの研究によると、マイコバクテリウム・ヴァッカエという細菌には、以下の性質があるとのことです。
- 抗炎症
- 免疫調整
- ストレス耐性
また、ローリー博士の他の研究によると、泥やホコリが多い農村部の子どもの方が、都市部の子どもより「免疫耐性」「ストレス耐性」ともに強い傾向があることがわかっています。
土壌には人体によい影響を与える細菌が数多く存在しているため、土いじりをすることは、肉体面でも精神面でも、子どもにいい影響を与えると言えるのです。
アーシングの効果
昨今、「アーシング」ということばが注目されています。
アーシングとは、「裸足になって直接大地に触れる」という健康法のことです。
ただ裸足になって砂や土、芝生などに触れるだけですが、以下のような効果があると言われています。
- 疲労回復
- 痛みの軽減
- 睡眠の質の向上
- 血流の改善
- 精神の安定
これは効果の一部ですが、素肌で自然に触れるだけでも、心身に良い影響を与えることができます。
砂場よりも土がいい
土いじりが心身に良い影響を与えることを説明しましたが、公園などの「砂場」は効果が薄い可能性があります。
それは、公園の砂場は人に良い影響を与える細菌が、土よりも少ないからです。
通常の土壌と比べると、砂場に生息している微生物の数はとても少ないため、砂場で遊んだとしても、先述したような健康に良い効果はあまり期待ができません。
また、砂場は、イヌやネコのトイレになってしまっている可能性もあります。
公園の砂場は、糞尿防止のネットをしている場合が多いですが、ネットがない場合は、衛生面で注意が必要です。
では、砂場以外で土いじりをするにはどうすればよいのでしょうか?
具体的には、「泥んこ遊び」や「栽培(家庭菜園)」などがおすすめです。
ここでは、「栽培(家庭菜園)」について解説します。
保育園や幼稚園で栽培活動をする理由
保育園や幼稚園では、花を育てたり、野菜を育てたりする活動をしているところも多いでしょう。
栽培活動は、土いじりの場になるだけでなく、子どもを育てる上でさまざまな良い効果が期待できます。
幼児教育で栽培活動をするのには、以下のような目的があります。
- 野菜の好き嫌いの解消を促す
- 五感を使い、発達を促す
- 食べ物に興味を持つ機会になる
- 豊かな感性が育成される
- 野菜を育て、命を育てる実感をもたせる
このように、体を動かして野菜を育てることによって、さまざまな発達を促すことを目的としています。
つまり、栽培活動をすることは、土いじりによって心身の健康面に良い影響を与えるだけでなく、子どもの感性や感覚を総合的に育てることができるのです。
実際にやってみると…
我が家では、子どもが3歳の頃から家庭菜園をやっています。
2年間以上継続していますが、以下のような効果が見られました。
- 1年に1回程度しか風邪をひかなくなった
- 土をさわることを嫌がらなくなった
- 野菜をなんでも食べる
- 食べ物に興味がある
すべてが家庭菜園の効果かどうかはわかりませんが、風邪をひかなくなったのと、土をさわることを嫌がらなくなったのは、確実に家庭菜園をはじめてからの変化です。
また、同年代の子どもと比べると、好き嫌いがとても少ないです。
「風邪をひかない」「好き嫌いがほぼない」というのは、保育園の先生や祖父母、周りの大人たちからもとてもよく褒められます。
我が家では、野菜づくりをまったくやったことがなかったので、最初の2年は畑のレンタルサービス「シェア畑」を利用していました。
現在では、シェア畑での経験を活かして、ベランダでの家庭菜園を楽しんでいます!
「子どもに土いじりをさせたい!」と考えている人には、家庭菜園がとてもおすすめです。
「やったことが無いからやり方がわからない!」という場合は、我が家のように畑のレンタルサービスを利用してみることをおすすめします!
手ぶらで行けるサポート付き貸し農園【シェア畑】畑のレンタルサービスの体験談も記事にしているので、参考にしてください。
まとめ
土いじりが子どもの心身の健康に与える効果について解説しました。
砂場遊びも良いですが、体に良い影響を考えるのであれば、家庭菜園や泥遊びなどがおすすめです。
特に家庭菜園は、心身の健康面だけでなく、子どもの感性や感覚を総合的に育てることができるのでとてもおすすめです。
みんなで育てて、みんなで食べる【シェア畑】